関税交渉がまとまった今、ドル円はどこへ向かうのか? ♯174

2025年7月下旬、日米の関税交渉がついに決着を迎えました。

この動きが為替相場にどんな影響を及ぼすのか、ポイントを整理してみます。

日米・米EU交渉の結果をざっくり振り返る

7月23日に日米間の関税交渉が合意に至り、相互関税は10%→15%へ引き上げ、

一方で自動車関税は25%→15%へ引き下げとなりました。

続くEUも7月27日に米国と妥結し、こちらもほぼ同水準の条件で着地しています。

8月1日の期限を前に、主要国との交渉が一気に片付いた格好です。

短期的にはポジティブ、しかし油断は禁物

関税率が想定より抑えられたことで、「景気への打撃は限定的、インフレ圧力もやや緩和」

というのが市場の初期反応でした。ただ、この楽観ムードは長続きしない可能性があります。

そもそも関税率自体は従来より上がっているため、8月以降の米国インフレ率は

徐々に押し上げられるとの見方が根強いです。そうなるとFRBが年内に予定している

2回の利下げが実行困難になり、米長期金利が上昇方向に振れやすくなります。

これはドル高・円安シナリオを後押しする構図です。

注目すべき2つの指標

関税という「目先の材料」が消化された今、マーケットの視線はFRBの

利下げ判断に移っています。カギを握るのは次の2つです。

  • 米消費者物価指数(CPI):7月以降の数値が前月比で上振れすればドル高・円安に傾きやすい
  • 米長期金利:直近は4.0〜4.6%のレンジで推移中。インフレ懸念が強まれば4.5〜4.8%帯へシフトし、ドル円も150円台に乗せてくる展開が考えられる

この2つをウォッチしておけば、為替の方向感をかなり掴みやすくなるはずです。

国内要因も見逃せない

日本側の変動要因としては、政治情勢日銀の金融政策が挙げられます。

政権運営が不安定化すれば円安圧力が強まり、さらに関税の悪影響で輸出企業が

苦しむようなら、日銀の追加利上げも先送りされかねません。

これもまた円安方向に作用します。

一方、大きな円高局面があるとすれば、トランプ大統領が新たな国際的混乱を

引き起こすケースでしょう。

ドルへの信認が揺らげば、一転してドル安・円高に振れる可能性があります。


為替の行方は複数の要因が絡み合いますが、まずは米国の物価動向と

長期金利の動きに注目しておくのが賢明です。

今後の相場を読む手がかりとして、ぜひ参考にしてみてください。

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