教育費はいつ、いくら? あわてないための「積み立ての型」を考えてみた ♯272

子どもが生まれると、いつか必ず向き合うのが教育費の問題です。とはいえ、赤ちゃんを抱えながら「この子が18年後どんな進路に進むか」なんて、想像できるはずもありません。私も「準備しなきゃ」と焦るばかりで、何から手をつければいいのか分からずにいました。そこで、教育資金の備え方を自分なりに整理してみます。

まずは「仮の進路」を決めてしまう

教育費のいいところは、必要になる時期と、おおよその金額があらかじめ見通せること。だからこそ準備しやすい支出だといえます。

ポイントは、「親としてどこまで用意してあげたいか」を先に決めること。といっても本決まりにする必要はなく、「とりあえず国立大学くらいは」「私立の理系にも対応できるように」といった仮のプランでかまいません。この仮置きがあるだけで、毎月いくら積み立てればいいかの見当がつき、ぐっと動きやすくなります。我が家もこの「仮決め」をしてから、ようやく一歩踏み出せました。

幼稚園から高校までは「毎月の家計」で

幼稚園から高校までの費用は、公立か私立かで大きく変わりますが、基本は毎月の収入のなかでやりくりする支出だと考えています。きょうだいがいるなら、全員が同じような進路を選んでもやっていけるか、という視点も持っておきたいところ。一方で、まとまったお金が一度に必要になる大学費用は、今からコツコツ積み立てておく——この役割分担がわかりやすいと感じました。

積み立ては「三つの柱」で考える

大学費用の準備で私がしっくりきたのが、目標とする進路に応じて積み立てを段階的に重ねていく、という考え方です。柱を三つに分けてイメージすると整理しやすくなります。

一つめの柱は、児童手当をそのまま貯めること。これは土台です。手をつけずに積み立てるだけで、まとまった額になります。専用の口座を作って自動で振り込まれるようにしておけば、何もしなくても勝手に貯まっていくのが心強いところ。

二つめの柱は、ここに毎月一定額の積み立てを上乗せすること。土台の児童手当に、無理のない範囲のコツコツ積み立てを足していくと、私立文系くらいまで視野に入ってきます。

三つめの柱は、さらに余力を足すこと。たとえば幼児教育の無償化で浮いた保育料分を、そのまま積み立てに回すのは賢い方法です。それまで払っていた感覚のままなので、家計の負担感が増えにくい。これを続けると、より費用のかかる進路にも備えやすくなります。

もし子どもがすでに大きく、準備期間が短い場合は、目標額と残りの年数から逆算して「毎月いくら必要か」を割り出す方法が有効です。すでに貯めた分があるなら、それも差し引いて考えれば、現実的な計画が立てられます。

「全部を投資」にしないことが肝心

NISAの広がりで「教育費も投資で増やしたい」という人が増えています。ただ、大学進学の時期は動かせません。いざ必要なときに相場が下がっていたら、目も当てられない。だから私は、教育資金をすべて投資に回すのは避けて、「元本が守られる商品」と「投資商品」を組み合わせるのがいいと考えています。

備え方には、いくつかの選択肢があります。

預貯金の自動積み立ては、手軽で、必要なときに引き出せて、元本も守られるのが魅力。大きくは増えませんが、確実性を重視するならこれが基本です。

個人向け国債は、普通預金より高めの利率で、元本割れの心配が少ないのが利点。自動積み立てができない点はありますが、年に一度まとめて買う、お祝い金の置き場所にする、といった使い方ができます。

投資信託(NISA)は、増える効果が期待でき、運用益が非課税になるのが大きな強み。ただし、数年先に使う予定のお金を投資で持つのは避けたいところ。長く積み立てられる分にあてるのが鉄則です。もし必要なときに値下がりしていたら、先に預貯金のほうから使い、投資はプラスになるまで待つ。そのためにも「元本が守られる商品」との二本立てが効いてきます。

学資保険や貯蓄性の保険は、契約者にもしものことがあったときに以後の払い込みが免除されるなど、保障を兼ねられるのが特徴です。ただし途中で解約すると元本割れしやすいので、続けられるかをよく考えて選びたいものです。

大まかには、準備期間が長いなら投資を組み入れ、短いなら元本の守られる商品で固める——この使い分けを意識しておくと安心だと感じました。

「老後ローン」は存在しない

最後に、いちばん心に留めておきたいことを。計画的な準備は大事ですが、私は「無理はしないで」と自分にも言い聞かせています。

子どもには十分な教育を、と願うのは当然の親心です。でも、教育費にかけすぎて自分たちの老後資金が痩せてしまっては本末転倒。教育費が足りなければ奨学金や教育ローンという手段がありますし、家にも車にもローンがあります。けれど、「老後ローン」というものは存在しません。親が老後に困れば、結局は子どもの負担になってしまう。子どもを思うからこそ、「どこまで準備するか」を冷静に見極め、教育資金と老後資金を両立できる計画を立てたいものですね。

私自身、こうした家計の全体像を学び直すなかで、入門書にずいぶん助けられました。「教育費と老後資金、どう両立すればいいの?」とモヤモヤしている方は、下のリンクから内容だけでものぞいてみてください。最初の一歩にきっと役立ちます。

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