加入者が亡くなったとき、iDeCo(個人型確定拠出年金)の相続はどうなるのでしょうか。実は資産は消えず、遺族が「死亡一時金」として一括で受け取れます。ただし受取順位は法定相続人と異なり、請求が遅れると税金の扱いが変わる場合があります。本記事で要点を整理します。
iDeCo相続で受け取れる遺族の順位
法定相続人と同じだと思っていませんか
多くの人が知らない落とし穴が「iDeCoの死亡一時金は民法の法定相続人の順位どおりに支払われる」という思い込みです。実際には確定拠出年金法に基づく独自の順位が定められており、加入者が生前に指定した受取人が最優先されます。指定がない場合は下表の順位が適用されます。
請求順位の比較表
| 順位 | iDeCo死亡一時金の請求者 | 法定相続人 |
|---|---|---|
| 第1順位 | 配偶者(内縁関係を含む) | 配偶者と子 |
| 第2順位 | 死亡当時にその収入で生計を維持していた子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(※) | 配偶者と父母 |
| 第3順位 | 死亡当時にその収入で生計を維持していた第2順位以外の親族 | 配偶者と兄弟姉妹 |
| 第4順位 | 第2・第3順位に該当しない子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(※) | − |
※子の優先度が最も高く、以下、父母・孫・祖父母・兄弟姉妹と続きます。同順位に複数人いる場合は、代表者1人へ一括で支払われた後に等分するのが一般的です。〔出典:確定拠出年金法、国民年金基金連合会「死亡一時金裁定請求書」を基に作成〕
生計維持の有無で順位が変わる点
注意したいのは、生計を共にしていた兄弟姉妹が、生計を別にしていた子より順位が高くなる場合があることです。家族構成によっては想定と異なる方が受取人になる可能性があります。誰に遺したいかが明確なら、生前に受取人を指定しておく方法を検討するとよいでしょう。
▶ 関連記事:iDeCoの受取人指定はいつ・どこで手続きできる?
死亡一時金の請求手続き3ステップ
手続きの流れ
- iDeCoを申し込んでいた運営管理機関(金融機関)へ連絡し、「加入者等死亡届」を提出する
- 記録関連運営管理機関へ、必要書類を添えて「死亡一時金裁定請求書」を提出する
- 審査後、指定口座へ死亡一時金が支払われる
準備しておきたい確認事項
- 加入していた金融機関名と口座情報(通知書・取引残高報告書などで確認)
- 戸籍謄本など続柄・生計維持関係を示す書類
- 請求者の本人確認書類と振込先口座
必要書類は請求者の立場や契約内容によって異なるため、まずは金融機関へ問い合わせてください。〔参考:国民年金基金連合会 https://www.ideco-koushiki.jp/ 〕
iDeCo相続の税金と3年・5年の壁
500万円の非課税枠が使える
iDeCoの死亡一時金は相続税法上「みなし相続財産」として扱われ、生命保険の死亡保険金とは別枠で「500万円×法定相続人の数」の非課税枠を利用できます。枠を超えた部分は相続税の課税対象です。
請求が遅れると扱いが変わる
- 死亡から3年経過後に支給が確定:受取人の「一時所得」として所得税の課税対象となり、相続税の非課税枠は適用できません
- 死亡日から5年経過後:みなし相続財産ではなく通常の相続財産として扱われます。その後も請求がなければ受取人なしとみなされ、法務局に供託される場合があります
税額は家族構成や他の財産により異なります。具体的な判断は税理士等の専門家にご確認ください。※制度・税制は改正される場合があります。最新情報は国税庁公式サイト(https://www.nta.go.jp/ )をご確認ください。
▶ 関連記事:みなし相続財産と非課税枠の基本をわかりやすく解説
まとめ|今すぐ確認したい3点
- iDeCoの死亡一時金の順位は法定相続人と異なる
- 請求は「死亡届→裁定請求書」の流れで早めに行う
- 3年・5年の経過で課税区分が変わる可能性がある
まずはご家族が加入状況を把握できているかを確認しましょう。
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【免責事項】本記事は一般的な情報提供であり、税務・法務上の助言ではありません。iDeCoは運用商品により元本割れの可能性があり、投資判断は自己責任となります。制度・税制は改正される場合があるため、実際の手続きは金融機関・税務署・専門家にご確認ください。

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