年の変わり目こそ「お金の総点検」を始めよう ♯287

一年を振り返り、新しい年に思いを巡らせる年末年始。実はこの時期、家計を見直すうえでも絶好のタイミングなのです。

普段まったく家計管理をしていない方も、難しく考える必要はありません。まずは今年末の預金残高を、昨年末と比べてみてください。たとえば手取り年収300万円の人が「昨年より50万円増えていた」なら、その年の貯蓄額は50万円、年間支出はおよそ250万円――この程度はすぐに把握できます。

家計管理というと、毎日家計簿をつけて1円単位で記録するイメージが強いかもしれませんね。けれど、こうした大きな視点での管理も、それに劣らず重要なのです。

家計は「短期・中期・長期」の3つの目で見る

私はいつも、家計を3つの視点で捉えることを提案しています。日々の支出を追う「短期」、資産を点検する「中期」、そして10年20年先を見通す「長期」です。

このうち、誰もが最初に取り組むべきは真ん中の「中期」。少なくとも年に1回、すべての口座残高を確認し、その時点の資産額を把握することから始めましょう。黒字で順調に貯まっていれば、このまま続ければ問題ありません。逆に赤字や貯蓄不足なら「短期」で支出を引き締め、将来に不安があるなら「長期」のキャッシュフロー管理へと進むイメージです。

「中期」管理でやるべき3つのこと

① 資産の棚卸しで現在地を知る

まずは締め日を一つ決めましょう。12月31日でも給料日でもかまいません。その日の銀行・証券口座の残高をすべて確認します。複数口座がある人は漏れなく合算を。ノートや表計算ソフトで「残高チェックシート」を作っておくと、前年との比較や数年単位の傾向がひと目でわかって便利ですよ。

もし思ったほど増えていなくても、入院費の立て替えや子どもへの資金援助といった一時的な出費なら心配いりません。けれど、特に理由もないのに貯蓄が大きく減っていたら要注意。「短期」の管理に切り替えて、支出を見直すサインと考えましょう。

② わが家の“お金の流れ”を整理する

口座やカードが多すぎると、お金の出入りが複雑になり、収支がつかみにくくなります。口座は「日常使い」「貯蓄用」「資産運用用」の3種類程度に絞るのが理想です。

クレジットカードも同様。最近は利用額が多いほど還元率や特典が優遇される仕組みが主流ですから、メインカードは1枚に集約するのが賢明でしょう。「海外旅行用に別ブランドを持つ」「帰省の新幹線代がお得になるカードだけ追加する」など、明確な目的があるときにサブカードを使う、くらいがちょうどよい塩梅です。

③ サブスク・固定費を見直す

3つ目は固定費の点検です。とりわけ気をつけたいのがサブスクリプション。「1カ月無料」で始めて解約を忘れ、使わないまま払い続けていた――そんな例は後を絶ちません。年に1回は棚卸しをして、不要なものは解約を。解約予定日をカレンダーに書き込んでおくと安心です。

支払い方法の工夫も効果的です。生命保険は月払いを年払いにすると数%割引になることがありますし、火災保険もまとめ払いで割安に。NHK受信料(地上契約)は2カ月払いより年払いのほうが年間924円お得、国民年金は口座振替の2年前納で1万7,010円も節約できます。月2万円の水道光熱費を還元率1%のカード払いにすれば、年間2,400円分のポイントが貯まる計算です。

年に一度、こうして資産と家計を棚卸ししておけば、特別な努力をしなくてもお金がスムーズに流れ、自然と貯まっていく――そんな「強い家計」を育てていけるはずです。

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