職場の熱中症対策義務化とは?2025年施行の要点 ♯331

酷暑日が続く中、職場の熱中症対策が2025年6月から法的に義務化されたことをご存知でしょうか。本記事では改正労働安全衛生規則の内容と、企業が取るべき対応を分かりやすく整理します。

職場の熱中症対策が義務化された背景

酷暑日が増える職場環境のリスク

最高気温40℃以上の「酷暑日」が珍しくなくなった近年、夏の暑さは熱中症だけでなく、集中力低下や作業効率の悪化といった経営課題にもつながりやすいといわれています。こうした状況を受け、厚生労働省は職場における熱中症対策を強化する方針を打ち出しました。

改正労働安全衛生規則のポイント

2025年6月に施行された改正労働安全衛生規則では、熱中症リスクが高い作業環境における「暑さ指数(WBGT)」の把握と、それに基づく対応が義務付けられています〔出典:厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」〕。事業者は該当する作業場所のWBGT値を測定または推計し、日常的に把握しておく必要があります。

事業者に求められる具体的な対策

WBGT値が基準を超えた場合の対応

WBGT値が基準を超えた場合、または超えるおそれがある場合には、以下の対応が義務として課されています。

  1. 屋外作業場への屋根設置や、空調の整った休憩場所の整備(作業環境の管理)
  2. 作業時間の短縮や通気性の良い服装の導入(作業管理)
  3. 健康診断結果に基づいた配慮や日常の健康管理
  4. 熱中症の症状や予防方法に関する労働衛生教育
  5. 報告体制および応急対応手順の整備・周知

今すぐ確認したいチェックポイント

自社の対応状況を見直す際は、以下の観点を確認しておくと安心です。

  • 作業場所のWBGT値を把握できる体制があるか
  • 休憩場所や服装の見直しが済んでいるか
  • 応急対応の手順が従業員に周知されているか

熱中症による労働災害の実態

高止まりする死傷者数のデータ

厚生労働省の統計によると、職場での熱中症による死傷者数(死亡・休業4日以上)は以下のように推移しています〔出典:厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」〕。

期間死傷者数の目安
平成24〜29年約500人前後
平成30年以降(令和3年除く)約800〜1,200人

※数値は年により変動があり、あくまで目安としてご確認ください。

対策を怠った場合のリスク

熱中症対策を怠ることは、安全配慮義務違反として法的リスクや損害賠償につながる可能性があります。厚生労働省は「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を展開し、5〜9月(7月は重点取組期間)を中心にWBGT値の低減や健康管理の徹底を呼びかけています〔出典:厚生労働省 STOP!熱中症 クールワークキャンペーン〕。

まとめ

  • 2025年6月施行の改正労働安全衛生規則により、WBGT値の把握と対策が義務化されました
  • 事業者は作業環境・作業管理・健康管理・教育・報告体制の5点を整備する必要があります
  • 熱中症による労働災害は高止まり傾向にあり、早めの見直しが望まれます

自社の対応状況が気になる方は、厚生労働省の公式情報を確認しながら、社内の熱中症対策マニュアルを今一度見直してみてはいかがでしょうか。

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