病気やケガで休職すると収入が途絶えると思っていませんか。実は傷病手当金や休業(補償)給付など、休職中でも利用できる公的な手当や給付金があります。それぞれの支給条件や金額の目安を整理します。
休職中に使える公的な手当とは
無給になると思い込んでいませんか
休職中は原則として給与が発生しませんが、病気やケガによる休職の場合、複数の公的制度によって経済的な支援を受けられる可能性があります。制度の存在を知らないまま休職すると、本来受け取れるはずの給付を見逃してしまうこともあるため、まずは仕組みを確認しておきましょう。
傷病手当金の支給条件と金額の目安
代表的な制度が傷病手当金です。健康保険の被保険者が業務外の病気やケガで仕事を休み、給与が支払われない(または減額される)場合に支給される給付金で、パート・アルバイトでも社会保険に加入していれば対象となります。支給額の目安は、支給開始日以前の直近12カ月における標準報酬月額の平均額を30で割った「標準報酬日額」の約3分の2です。※実際の金額は個人の加入状況により異なります。
業務上の病気・ケガは休業(補償)給付の対象
休職の事由が業務上または通勤中の病気・ケガで、会社から給与を受け取れない場合は、労災保険の休業(補償)給付の対象となります。上乗せされる特別支給金と合計すると、給付基礎日額(労働基準法上の平均賃金に相当する額)の最大約80%が補償される仕組みです。なお、労災保険が適用される場合、傷病手当金との併用はできません。
傷病手当金と休業給付の違いを比較
制度ごとに条件が異なる落とし穴
「どちらの制度が使えるのか分からない」という声も少なくありません。対象となる病気・ケガの原因によって適用される制度が異なるため、下記の表で違いを確認しておきましょう。
| 項目 | 傷病手当金(健康保険) | 休業(補償)給付(労災保険) |
|---|---|---|
| 対象 | 業務外の病気・ケガ | 業務上・通勤中の事故によるケガ・病気 |
| 支給元 | 健康保険組合・協会けんぽ | 労災保険(国) |
| 支給額の目安 | 標準報酬日額の約2/3 | 給付基礎日額の約80%(保険給付+特別支給金) |
| 支給期間 | 最長1年6カ月 | 治癒するまで(期間制限なし) |
| 待期期間 | 連続3日間 | 3日間(業務災害は事業主が補償) |
〔出典:全国健康保険協会(協会けんぽ) 公式サイト〕〔出典:厚生労働省 公式サイト〕
民間保険での備えも検討したい
公的制度だけでは不足するケースも
傷病手当金や休業(補償)給付だけでは、収入の全額をカバーしきれない場合があります。そのため、就業不能保険(生命保険)や所得補償保険(損害保険)といった民間の保険で備える人もいます。ただし、それぞれ給付条件が定められており、条件を満たさない場合は給付対象外になる点に注意が必要です。
加入前に確認したい3つのポイント
- 給付対象となる「所定の就業不能状態」の基準を確認する(入院・在宅療養・障害等級など、商品により異なる)
- 精神疾患が給付対象に含まれるか確認する(対象外とする商品が多く、うつ病などによる休職では給付を受けられない場合がある)
- 支払われる金額と期間、保険料のバランスを比較する
よくある質問
Q. 傷病手当金と休業(補償)給付は同時に受け取れますか?
A. 両者は併用できない仕組みです。業務上・通勤中の病気やケガで労災保険が適用される場合は、休業(補償)給付が優先されます。
Q. 民間の就業不能保険は誰でも加入できますか?
A. 保険会社ごとに加入条件や保険料が異なり、既往症の内容によっては加入できない場合があります。複数の商品を比較検討することをおすすめします。
まとめ
- 業務外の病気・ケガは傷病手当金、業務上・通勤中は休業(補償)給付が対象
- 傷病手当金は標準報酬日額の約2/3、休業(補償)給付は給付基礎日額の約80%が目安
- 公的制度でカバーしきれない部分は民間の就業不能保険・所得補償保険で備える方法もある
- 精神疾患は対象外となる保険商品が多いため加入前の確認が重要
休職に備えて、公的制度の仕組みを理解したうえで、必要に応じて民間保険の内容も比較してみてください。

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