マンション建て替え決議の要件緩和とは ♯338

「うちのマンション、老朽化しているのに建て替えの話が全然進まない」――そんな悩みを持つ方に関係する法改正です。2026年4月施行の改正マンション関連法により、建て替えやリノベーションの決議要件が緩和されました。変更点を整理します。

建て替え決議の要件緩和

老朽化マンションの再生が進まない背景には、決議のハードルの高さがありました。

なぜ建て替えが進みにくかったのか

これまで建て替え決議には区分所有者の「5分の4以上」の賛成が必要とされ、合意形成の難しさが再生の足かせになっているという指摘がありました。今回の改正では、この要件が一定の条件下で緩和されています。

客観的事由がある場合は4分の3以上に

以下のような客観的事由が認められる場合、建て替え決議の要件は「5分の4以上」から「4分の3以上」へと引き下げられました。

  • 耐震性の不足
  • 火災に対する安全性の不足
  • 外壁等の剥落により周辺に危害を生ずるおそれ
  • 給排水管等の腐食等により著しく衛生上有害となるおそれ
  • バリアフリー基準への不適合

〔出典:国土交通省 住宅局「令和7年マンション関係法改正とこれからのマンション管理」2025年10月26日〕

一棟リノベーション・取壊しも多数決で可能に

これまで「一棟リノベーション」や「建物の取壊し」は区分所有者全員の同意が必要で、事実上ほぼ実現が困難でした。改正後は、これらの行為も建て替えと同様に多数決による決議が可能となり、老朽化対策の選択肢が広がっています。

再生を後押しする支援策も拡充

決議要件が緩和されても、費用負担の重さがネックになるケースは少なくありません。

容積率・高さ制限の緩和

従来からの容積率の特例制度に加え、新たに高さ制限の緩和も導入されました。これにより、耐震性不足のマンションを建て替える際に柔軟な設計がしやすくなり、区分所有者一人あたりの費用負担を軽減できる可能性があります。

融資メニューの拡充

住宅金融支援機構の融資メニューも見直され、以下のようなケースが新たに対象となりました。

融資対象内容
一棟リノベーション建て替えずに大規模改修する場合の融資
除却費用取壊し後に再建しないケースも含めた融資

制度の詳細や利用条件は、住宅金融支援機構の公式サイトで確認することをおすすめします。

まとめ

  • 建て替え決議の要件が「5分の4以上」から「4分の3以上」に緩和(一定の客観的事由がある場合)
  • 一棟リノベーション・取壊しも多数決による決議が可能に
  • 高さ制限緩和や融資メニュー拡充で費用負担を軽くできる可能性がある

マンションにお住まいの方は、この機会に建物の状態や今後の修繕・再生方針を管理組合や専門家と一緒に確認してみてはいかがでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました