家計管理シリーズも第6回。今回は、ファイナンシャルプランナーとして特に子育て世帯のお客様に強くおすすめしている「iDeCoで教育費を節約する」というテーマを掘り下げてみます。老後資金のイメージが強いiDeCoですが、実は子育て中の家計にこそ効いてくる制度なんですよ。
子育て世帯ほどiDeCoを使ってほしい理由
非課税制度といえばNISAとiDeCoですが、若い世代はNISAを選びがち。理由はやはり「iDeCoは60歳まで引き出せない」点にあるようです。万一のときに動かせない不安が先に立つのでしょうね。
でも、iDeCoだけの強みもあります。それが「出ていくお金を減らす」効果。掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象なので、所得税と住民税が軽くなります。
たとえば月2万円を積み立てると、年24万円の掛金に対して約4.8万円の減税(所得税率10%の場合)。30年なら144万円、夫婦で同額なら288万円もの節税に。しかも課税所得が下がることで、保育料などの教育費まで連動して安くなるのが見逃せないポイントです。
メリット①:3歳未満の保育料が下がる
無償化されるのは満3歳の翌4月以降。それ以前の保育料は前年の市区町村民税所得割で決まります。
大阪市の例だと、年収400万円と300万円の夫婦が2歳児を預けると月45,100円。ここで夫婦がそれぞれ月23,000円をiDeCoに回すと所得割額が下がり、保育料区分も下がって月39,400円に。年間で約6.8万円の節約になる計算です。きょうだい同時通園なら2人目半額・3人目無償の制度もあるので、お住まいの自治体もぜひ確認してみてください。
メリット②:大学の学費支援にも波及
文科省の「高等教育の修学支援新制度」では、所得に応じて授業料減免や給付型奨学金が受けられます。判定は「住民税の課税標準額×6%−調整控除額(約1,500円)」で行われるため、iDeCoで住民税を下げれば対象となる支援が広がる可能性があるんです。年収表記は目安で、実際は所得ベースで判定される点も覚えておきたいですね。
活用のコツは「前年スタート」と「掛金調整」
住民税は前年の所得で決まるので、恩恵を受けたい年から始めても間に合いません。1年前からの仕込みが鉄則です。医療費控除や、産休・育休で妻の年収が201.6万円未満なら配偶者(特別)控除も活用を。正社員夫婦は申告漏れが多いので要注意です(5年前まで遡って確定申告できます)。
掛金は年1回、5,000円以上1,000円単位で変更可能。保育料や学費がかさむ時期は多めに、余裕がない時期は無理なく、と調整できるのが嬉しいところ。さらに2027年1月からは上限額が拡大し、企業年金のない会社員なら月23,000円→62,000円へ。所得が高い人ほど効果が大きくなりそうです。
教育費節約と老後資金準備を同時に叶える
私がこの制度を推す最大の理由は「教育費の節約と老後資金づくりを両立できる」点です。老後資金目的でNISAを選ぶと、iDeCoの節税も保育料軽減も取り逃してしまい、ちょっともったいないんですよね。
よく「ふるさと納税で保育料は下がりますか?」と聞かれますが、現在の算定方法では下がりません。むしろiDeCoを使うとふるさと納税の上限目安は下がります。お金の制度は互いに絡み合っているので、この機会にぜひ全体像を掴んでみてください。
iDeCoは節税・老後準備・教育費節約のトリプル効果。一方で、納税していない方や60歳前に使うお金にはNISAが向いています。ライフスタイルに合わせて、上手に使い分けてくださいね。

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