生命保険解約は損?金利上昇局面の注意点 ♯332

生命保険の解約が増えているのをご存知でしょうか。金利上昇を背景に「保険から投資へ」という動きが広がっていますが、解約のタイミングを誤ると思わぬ損失につながる可能性があります。本記事では解約が増えている背景と注意点を整理します。

生命保険解約が増加している理由

解約返戻金が増え続ける実態

生命保険協会の統計によると、解約返戻金は2020年度から増加傾向が続き、2022年度から3年連続で約11兆円台に達しているとされています〔出典:生命保険協会「生命保険の動向」〕。この数字は、多くの契約者が既存の保険を見直している状況を示していると考えられます。

予定利率上昇と円安が背景に

解約が増えている背景の一つに、保険料計算の基礎となる「予定利率」(保険会社が契約者に約束する運用利回りの目安)が、長期金利の上昇に連動して引き上げられていることが挙げられます。これにより、現契約から利回りの高い新商品へ乗り換える動きが進んでいると見られます。あわせて、円安を受けて外貨建て保険の利益を確定させる目的の解約もあると考えられます。

保険から投資への乗り換えは正解か

NISA普及で加速する資産シフト

NISA(少額投資非課税制度)の普及や株価上昇などを背景に、「貯蓄から投資へ」の流れが加速しているといわれます。解約された保険マネーの一部は、株式や投資信託に向かっているとの見方もあります〔出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」〕。ただし投資には元本割れのリスクがあり、利益を保証するものではない点には注意が必要です。

見直しが有効なケース・不向きなケース

「保険から投資へ」の考え方は状況によって有効ですが、すべての人に当てはまる最適解とは限りません。以下のようなケースでは、判断基準が異なります。

ケース見直しの方向性
予定利率が低い時期に加入した貯蓄型保険乗り換え・解約を検討する余地あり
予定利率の高い旧契約(いわゆるお宝保険)焦った解約は損失につながる可能性
まだ元本割れ状態にある契約解約時期を慎重に見極める必要あり

生命保険解約前に確認したい注意点

保障目的を忘れていないか

保険を見直す際に忘れてはならないのが、その保険にもともと加入した目的です。保障が必要な場合、新たに定期保険などへの加入を検討することになりますが、健康状態によっては新規契約ができない可能性もあります。

保険料が割高になるリスク

乗り換えが可能な場合でも、以下の点は事前に確認しておきたいポイントです。

  1. 現契約と新契約の予定利率・保障内容を比較する
  2. 解約返戻金が元本を上回っているか確認する
  3. 新規加入時の年齢による保険料の変化を試算する

既契約時より加入年齢が上がっているため、保険料が割高になる可能性がある点も知っておくとよいでしょう。

まとめ

  • 生命保険の解約返戻金は近年増加傾向にあり、予定利率上昇や円安が背景にあると考えられます
  • 「保険から投資へ」は有効な選択肢の一つですが、契約内容によっては損失につながる可能性があります
  • 解約前には保障目的や保険料の変化を確認し、慎重に判断することが望まれます

自分の契約が見直しに向いているか迷う場合は、生命保険協会や金融庁の公式情報を参考にしながら、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみるのも一つの方法です。

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