「いつまで働く?」迷う60代が増えている
2025年4月から65歳までの雇用が義務化され、70歳までの就業確保も企業の努力義務になりました。長寿化が進むいま、定年後の働き方や暮らし方は人それぞれ。退職金や年金の受け取り方も、自分の状況に合わせて選ぶ時代になっています。
何歳まで働くか、退職金は一括か分割か、年金は繰り下げるべきか——。選択肢が豊富なのは喜ばしい反面、「どれを選べばいいの?」と立ち止まってしまう人も少なくありません。そんなとき頼りになるのが、ファイナンシャルプランナー(FP)の存在です。
「相談する価値」が浸透してきた
ひと昔前は「お金を払ってまでFPに相談する人なんている?」と疑問視されることもありました。ところが近年は風向きが一変。「専門家に聞いたほうが安心」という声が広がり、家族や友人の紹介で相談に訪れる方も増えています。
背景には、選択を迫られる場面の増加、将来への不安、そして「より良く生きたい」という願いの高まりがあるのでしょう。
ネット情報だけでは決められない時代
注意したいのが、ネット記事や動画で得た知識の落とし穴です。多くは「一般論」や「数字上のお得」を語るもの。実際、「調べれば調べるほど、自分はどうすべきか分からなくなった」と途方に暮れる相談者が急増しています。
受け取り方を決める鍵は、損得だけではありません。住宅ローンの残債、教育費の見通し、お金との付き合い方、望む暮らし方——。一人ひとりの事情や価値観まで踏まえて助言できるのは、やはりFPならではの強みです。
本当の「寄り添い」とは
相談者に優しく同意するだけが寄り添いではありません。たとえば勢いで早期リタイアを望む方には、「完全に辞めると社会とのつながりが薄れて、かえってつらいですよ。週3日勤務などで様子を見ては?」と提案することも。デメリットをきちんと伝え、難しいことは難しいと示しながら、負担を和らげる道を一緒に探す。それこそがFPの責任であり、真の寄り添いだと感じています。
答えは「聞く・聞く・聞く」に宿る
良いプランは、徹底したヒアリングから生まれます。給与明細から会社規模や退職金の目安を読み取り、雑談のように話を広げていく。子どもの有無、親の介護、遺したい相手の存在——。一見プランと関係なさそうな話題にこそ、大切なヒントが隠れています。
聞いて、聞いて、また聞く。これを丁寧に重ねるほど、相談者自身も気づいていない本音を引き出せるようになるのです。
人生の岐路に立つ50〜60代にとって、FPは心強い伴走者。情報があふれる今だからこそ、あなたに合った答えを一緒に見つけてくれる存在が必要なのかもしれません。

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