【セカンドライフ設計】退職後の公的医療保険、保険料と医療費はどう変わる? ♯257

■ 仕事を辞めたら、健康保険はどうなる?

会社員時代は、健康保険料が給料から自動で天引きされていました。では、定年で会社を離れるとどうなるのでしょうか。

再雇用や転職で会社員を続けるなら、引き続き勤務先の健康保険に入り、保険料は給与に応じて決まります(年金収入は保険料に影響しません)。一方、完全リタイアやフリーランスとして働く場合は、次の3つから選ぶことになります。

  1. 退職前の健康保険を任意継続する(最長2年)
  2. 住んでいる自治体の国民健康保険に入る
  3. 家族の健康保険の被扶養者になる

どれを選ぶかで、保険料も給付内容も変わります。とくに家族の扶養に入れる場合は保険料がゼロになるため、見逃せない選択肢です。60歳以上なら年収180万円未満などの条件で対象になり得るので、「夫が妻の扶養に」というケースも検討の価値があります。

■ 任意継続と国保、どちらが得?

任意継続は、会社が負担していた分も含めて保険料を全額自己負担します。ただし、協会けんぽの場合は標準報酬月額に上限(2025年度で32万円)が設けられているため、現役時代に高収入だった人ほど割安に感じられることがあります。

対して国民健康保険は、前年の所得や世帯人数で決まります。退職直後は前年の高い所得が反映されるため、保険料が任意継続より大きく上回るケースも珍しくありません。ただし、2年目になると所得が下がる分、国保のほうが安くなることもあります。「1年目は任意継続、2年目は国保に切り替え」という戦略も有効でしょう。

健康保険組合に加入していた場合は、組合ごとに保険料の計算方法が異なるため、有利・不利はケースバイケースです。退職前に勤務先へ「任意継続したら保険料はいくらか」を確認し、国保は自治体に問い合わせる(またはWebシミュレーターを使う)とよいでしょう。

■ 見落としがちな「付加給付」と、70歳の壁

医療費の自己負担割合や高額療養費の基本は、国保も健康保険も同じです。ただし**健康保険組合や共済組合には「付加給付」**があり、1カ月の自己負担上限が2〜3万円程度に抑えられることも。任意継続なら原則この付加給付も受けられます。意外と知られていないので、加入先のサイトで確認しておきましょう。一部の組合には74歳まで加入できる「特例退職被保険者制度」もあり、医療費がかさむ人には心強い選択肢です。

そして大きく変わるのが70歳の節目。一般的な所得なら、70歳以降は自己負担限度額が下がり、外来は個人ごとに月1万8,000円(年間上限14万4,000円)程度に。複数の医療機関や家族の医療費を合算しやすくなる点も特徴です。ただし限度額を超えた分の還付は申請が必要なことも多く、通知の有無や手続きは自治体で異なります。

「年金にも保険料がかかるの?」と驚く方は少なくありません。年金や退職金の受け取り方を考えるうえでも、社会保険料と医療費の負担を早めに把握しておくことが、安心したセカンドライフへの第一歩になります。

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