【マイホーム】築古マンションに潜む“3大リスク”、資産価値を守る備え方とは ♯254

「マンションを買えば一生安心」——そう考える時代は、静かに終わりつつあるのかもしれません。国土交通省によれば、築40年超のマンションは2023年末で約137万戸。20年後にはおよそ3.4倍まで膨らむ見通しです。1980年代の建設ラッシュで生まれた住まいが、いま大きな曲がり角を迎えています。

築年数を重ねたマンションには、主に3つのリスクが重なります。

ひとつめは建物そのものの劣化。とりわけ怖いのが防水機能の衰えです。外壁のひび割れから水が入り込めば、内部の鉄筋が錆びて建物の骨格を蝕みます。給排水管の老朽化による水漏れも、ある日突然起こりうる脅威でしょう。

ふたつめは住む人の高齢化。建物とともに住民も年を取り、現役時代は払えた修繕費が、年金生活では重くのしかかります。「もう大きな出費はしんどい」——そんな声が増えれば、修繕の合意形成は一気に難しくなります。

そして3つめが修繕積立金の不足。建築費の高騰や値上げへの反対が重なると、必要な工事ができません。資金が尽きれば管理は荒れ、空室が増え、価値が下がる悪循環に。最悪の場合、解体費として所有者に多額の負担が求められた例さえあります。

では、築古マンションに未来はないのか——決してそうではありません。鍵は管理組合をどう動かすかにあります。

国は12〜15年ごとの計画的な大規模修繕を推奨しています。管理会社任せにせず、マンション管理士など第三者の目を入れて状況を客観的に点検すること。さらに、住宅金融支援機構の「マンションライフサイクルシミュレーション(長期修繕ナビ)」で将来の修繕費を試算したり、金利優遇のある「マンションすまい・る債」で積立を進めたりと、使える制度は意外と多いものです。

出口戦略となる建て替えや敷地売却には、区分所有者の5分の4以上という高い壁があります。だからこそ大切なのは、問題が深刻化する前に所有者一人ひとりが「今」動くこと。総会に足を運び、長期修繕計画に目を通し、わが家の現状を知ることが第一歩です。

新築時に数千円だった積立金が、数十年後に5倍以上になることも珍しくありません。超長期ローンを検討している若い世代こそ、「年金生活でローンと維持費を払い続けられるか」を具体的な数字で見つめておきたいところ。

マンション購入はゴールではなく、スタートです。その価値を守り抜くカギは、長期の資金計画と、所有者としての当事者意識にこそあるのでしょう。

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