暗号資産税制改正で税率20%に?変更点を解説 ♯328

暗号資産(仮想通貨)の利益にかかる税金は、これまで最大55%になる可能性がありました。ところが2026年度税制改正大綱で、税率が一律20%程度になる見直し案が示されています。改正の内容や注意点を整理します。

暗号資産の税制はなぜ重かったのか

最大55%の税負担で投資を敬遠していませんか

暗号資産の取引で得た利益は、これまで給与所得などと合算される「総合課税」の対象でした。所得が高くなるほど税率も上がる累進課税のため、所得税・住民税を合わせて最大約55%の税率がかかる可能性があり、この重い税負担が個人投資家にとって大きなハードルになっていたと考えられます。

総合課税の仕組みをおさらい

総合課税では、課税所得金額が増えるほど適用税率が段階的に上がります。目安として課税所得が330万円を超えると、超過部分の税率が所得税・住民税合計で約30%を上回るケースもあります。本業の所得が高い人ほど、暗号資産の利益に対しても高い税率が適用されやすい仕組みでした。

2026年度税制改正大綱の変更点

多くの人が知らない改正のポイントとは

2025年末に公表された2026年度(令和8年度)税制改正大綱では、暗号資産(特定暗号資産)に関する税制の抜本的な見直しが盛り込まれました。〔出典:財務省「令和8年度税制改正大綱」公式サイト〕

申告分離課税でどう変わるか

項目改正前(総合課税)改正後(申告分離課税)
税率最大約55%(累進)一律約20%(20.315%)
損失の繰越不可3年間可能な見込み
対象暗号資産全般国内登録業者の特定暗号資産等

〔出典:国税庁「所得税の税率」公式サイト〕

金融商品取引法上の登録業者(国内取引所)が扱う特定暗号資産の現物取引等が対象となり、他の所得と分離して一律約20%(所得税15%、住民税5%、別途復興特別所得税が加算)の税率が適用される見込みです。※制度の詳細は今後変更される可能性があります。

損失繰越控除も導入される見込み

株式投資などと同様に、確定申告を行うことで損失を翌年以降3年間にわたり利益と相殺できる「繰越控除」が認められる方向です。暗号資産は価格変動(ボラティリティ)が大きい資産のため、この仕組みにより税負担の平準化が期待されています。

改正後も注意しておきたい点

今すぐ確認すべき3つのポイント

  1. 適用時期は関連法案の施行を待つ必要があり、現時点では2028年(令和10年)1月以降となる見通し
  2. 対象は国内登録業者が扱う特定暗号資産等に限定される見込みで、海外取引所は総合課税のままとなる可能性がある
  3. 暗号資産同士の交換や決済利用時も、これまでどおり利益確定とみなされる点は変わらない

よくある質問

Q. 改正前に確定した利益にも新税率が適用されますか?
A. 新税制の適用前に利益を確定させた場合は、現行の総合課税が適用される見通しです。タイミングによって税負担が変わる可能性があるため注意が必要です。

Q. 暗号資産投資は元本保証されますか?
A. 暗号資産は価格変動リスクの大きい金融商品であり、元本は保証されません。投資は自己責任で、無理のない範囲での検討をおすすめします。

まとめ

  • 暗号資産の利益は現在、総合課税で最大約55%の税率がかかる可能性がある
  • 2026年度税制改正大綱で一律約20%の申告分離課税への移行が示された
  • 損失の3年間繰越控除も導入される見込み
  • 適用時期は2028年1月以降となる見通しで、対象範囲にも制限がある

制度の詳細は今後、国税庁などから順次発表される見込みです。ご自身のライフプランやリスク許容度に合わせて、最新情報を確認しながら検討してみてください。

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