再び訪れた「変額保険ブーム」
いま、生命保険業界で大きな注目を集めているのが変額保険です。日本では1970年代に外資系が取り扱いを始め、金融ビッグバンの頃にも脚光を浴びましたが、リーマンショックによる株安・円高で元本割れが続出し、撤退や募集停止が相次いだ歴史があります。
ところが近年、外資系・損保系・ネット系などさまざまな保険会社が再参入。2025年もすでに複数社が販売を開始するなど、本格的なブームが到来しています。
なぜ今、各社が参入するのか
背景には、いくつかの追い風があります。
一つは老後資金への不安。人生100年時代といわれる一方、社会保障財源は厳しく、いわゆる“老後2,000万円問題”も将来不安を後押ししました。
もう一つは長く続いた低金利。預貯金では資産が増えにくい時代が続いた反面、世界の株式市場は上昇し、投資への関心が高まりました。とはいえ「証券口座を開いて自分で運用」はハードルが高い——その代替として、保障と運用を兼ねる変額保険が注目されたのです。さらに新NISAのスタートも、資産形成への意識を高め、ブームを加速させました。
変額保険の仕組み
変額保険は、支払う保険料を保障部分(一般勘定)と、株式や債券などで運用する資産形成部分(特別勘定)に分けて構成する商品です。生命保険の「保障」と、金融商品の「運用」を併せ持つのが特徴です。
運用先は、保険会社が用意する10種類前後の商品から自分で選びます。投資信託で運用されるため新NISAと比較されがちですが、そもそも目的が異なる商品である点は要注意です。
死亡・高度障害時には契約時の保険金(基本保険金額は最低保証)を受け取れます。一方で中途解約時の解約返戻金には最低保証がなく、多くの商品で「解約控除」が設定されているため、10年以内に解約すると払込総額を下回る可能性が高くなります。タイプは満期のある「有期型」、一生涯保障の「終身型」、年金として受け取る「年金型」に分かれます。
メリットとデメリット
プロの間でも賛否が分かれる商品です。
メリットは、運用次第で将来受け取るお金を増やせること。保障も得られ、「保険料免除特約」を付ければ三大疾病などで払い込みが免除になります。保険期間中は基本保険金額が保証される安心感もあります。
デメリットは、満期保険金や解約返戻金に最低保証がなく、元本割れの可能性があること。さらに保険関連費用に加えて運用関係費用もかかり、コスト負担が重くなりがちです。
向いている人・向いていない人
向いているのは、保障を確保しつつ資産形成もしたい人、担当者と相談しながら進めたい人、保険料を一時払いできる余裕のある人です。
逆に、元本割れを許容できない人、短期解約の可能性が高い人、すでに十分な保障があり新NISAで運用している(する予定の)人には、必要性は低いといえるでしょう。
商品性が複雑で各社の条件も異なるため、複数を比較して目的に合うものを選ぶことが欠かせません。そもそも保険は「何のために入るのか」を最初に確認することが、何より大切です。

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