【マネー】最高値を更新する金、ポートフォリオへの取り入れ方を考える ♯255

ニュースで「金、過去最高値」という言葉を耳にする機会が増えました。国内の金小売価格は2005年初めに1グラム1,500円台だったものが、2025年には1万7,000円台に。20年余りで10倍を超える水準まで駆け上がっています。

ただし、金がつねに右肩上がりだったわけではありません。1971年に米ドルと金の交換が停止されて以降、価格は世界の需給で決まる自由相場に移り、長く低迷した時期もありました。だからこそ、「どんなときに金が買われるのか」を知っておくことが大切でしょう。

歴史を振り返ると、オイルショック、リーマンショック、コロナ禍、地政学的な緊張——こうした不安が高まる局面で金は買われてきました。「有事の金」と呼ばれるゆえんです。つまり金が大きく上がっているときは、世界の経済状況が決して良いとは言えないサインでもあります。近年は新興国の中央銀行による買い増しも、価格を押し上げる一因とされています。

では、私たちの資産運用に金はどう生きるのでしょうか。

最大の役割はリスクヘッジ(保険)です。株式や債券、預金が目減りする危機局面で、金がその穴を埋めてくれる可能性があります。さらに金は米ドルと逆の値動きをしやすく、外貨建て資産が抱える円高リスクの緩和にも一役買います。国内株・外国株・国内債・外国債という伝統的な4資産に金を加えると、値動きの違いから分散効果が高まりやすいのです。

ただし金は、平時はあまり動かず、利子も配当も生みません。持ちすぎると運用効率が下がるため、資産全体の5〜10%程度にとどめるのが、欧米でも語られてきた経験則です。買うときは一度にまとめてではなく、時期を分けてコツコツと——これが高値づかみを避けるコツでしょう。

投資方法は主に4つ。

  1. 金地金(バー):最も基本的な形。ただし小さいサイズは手数料(バーチャージ)が割高になりがちです。
  2. 金貨(コイン):各国政府発行の法定通貨。製造コスト分、地金より少し割高に。
  3. 純金積立:月1,000円程度から。購入単価を平準化でき、価格高騰時でも少額で始めやすいのが魅力です。
  4. 金ETF:証券口座で手軽に売買でき、コストも比較的低め。NISAは成長投資枠で購入可能です(つみたて投資枠は対象外)。

なお先物取引はハイリスクで短期向きのため、初心者がよく分からないまま手を出すものではありません。

金価格そのものが高騰している今、まとまった額での購入はハードルが高めです。リスクを抑えて少額から触れてみたい方には、積立や金ETFが現実的な入り口になりそうです。利便性・コスト・自分の投資額を見比べて、無理のない方法を選んでいきたいですね。

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