「同じ立地なのに、相場より2割以上安い」――そんな物件を見つけたら、土地の権利形態を確認してみてください。借地権付きマンションは購入価格を抑えやすい一方、毎月の地代や将来の売却のしにくさなど、所有権付きにはないコストやルールがあります。価格の安さだけで判断して後悔しないよう、違いと注意点を整理しておきましょう。
借地権付きマンションの仕組み
価格だけで選んでいませんか?
分譲マンションの土地の権利(敷地利用権)には、「所有権」と「借地権」の2種類があります。多くの物件は所有権付きで、敷地を区分所有者全員で共有しています。一方、借地権付きマンションは、建物の専有部分は自分のものでも、土地は地主から借りている状態です。
借地権は2種類ある
- 普通借地権:契約期間は30年以上で、満了後も更新できる
- 定期借地権:一般定期借地権は50年以上で、更新はできない
〔借地借家法第3条・第22条に基づく〕
所有権との主な違い
| 項目 | 所有権付き | 借地権付き |
|---|---|---|
| 土地の所有者 | 区分所有者全員 | 地主 |
| 購入価格 | 基準 | 2〜3割程度安い傾向 |
| 土地の固定資産税 | 負担あり | 不要(地主が負担) |
| 毎月の地代 | 不要 | 必要 |
| 解体積立金 | 不要 | 定期借地権では必要 |
| 売却・増改築 | 管理組合のルールに従う | 地主の承諾が必要 |
〔出典:日本FP協会作成資料をもとに再構成〕
→ 物件選びの基本は【内部リンク:新築と中古マンションの選び方】で確認できます。
借地権付きマンションの総コスト
「安く買える」の落とし穴
購入価格が安くても、住み続ける間に地代などの支払いが積み重なります。
35年間の簡易試算
所有権付き5,000万円の物件が、借地権付きで3,750万円(25%安い)だったケースの一例です。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 購入価格の差 | 約1,250万円安い |
| 地代(月2万円×35年) | 約840万円 |
| 解体積立金(月1万円×35年) | 約420万円 |
| 追加コストの合計 | 約1,260万円 |
価格差が、地代と積立金でほぼ相殺される計算になります。地代が値上がりすれば、負担はさらに増える可能性があります(※金額は一例で、物件や契約内容により異なり、個人差があります)【要ファクトチェック】。
→ 返済計画は【内部リンク:住宅ローンの無理のない借入額の目安】も参考にしてください。
購入前に確認したい4ステップ
契約書のここを見る
- 定期借地権なら残存期間、普通借地権なら更新料の有無と条件
- 地代の金額と、将来の改定ルールが明記されているか
- 住宅ローンの融資額・借入期間に制限がないか
- 売却・増改築時の地主の承諾と承諾料の条件
土地を所有しない分、担保価値が低めに評価され、ローンが組みにくい場合があります。また、借地権の譲渡には原則として地主の承諾が必要です〔民法第612条・借地借家法第19条に基づく〕。
確認の有無で変わること
| 場面 | Before(確認なし) | After(確認あり) |
|---|---|---|
| 住宅ローン | 審査で想定外の減額 | 事前に借入可能額を把握 |
| 毎月の支出 | 地代の値上がりに驚く | 改定ルールを踏まえて家計を設計 |
| 売却時 | 承諾料や買い手不足で難航 | 出口まで見通して購入 |
区分所有法の改正にも注目
2025年5月に成立した改正区分所有法では、建て替え決議などの要件が見直され、2026年4月から施行されています【要ファクトチェック】。最新情報は〔出典:法務省「区分所有法制の見直し」〕でご確認ください。
よくある質問
Q. 定期借地権の期間が終わったら?
A. 原則として建物を解体し、土地を地主に返します。そのため解体積立金が必要になります。
Q. 資産価値は下がりやすい?
A. 定期借地権では、残存期間が短くなるほど価値が下がり、売却しにくくなる傾向があります。
まとめ
- 借地権付きマンションは購入価格を2〜3割程度抑えやすい
- 地代・解体積立金を含めた総コストで比較することが大切
- 残存期間、地代の改定ルール、ローン条件を事前に確認する
- 売却・増改築には地主の承諾が必要になる場合がある
まずは気になる物件の契約書で、借地期間と地代の条件をチェックしてみてはいかがでしょうか。借地権付き物件に対応する住宅ローンは金融機関によって条件が異なるため、複数の公式サイトで比較するのも選択肢の一つです。ただし、審査結果や金利は個人の状況によって異なります。【PR】
→ 【内部リンク:住宅ローンの金利タイプと比較のポイント】
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の物件や金融商品の購入を勧めるものではありません。最新情報は国土交通省・法務省の公式サイトをご確認ください。

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