成年年齢18歳への引き下げで何が変わった?親の同意なしで契約できるようになった若者が金銭トラブルに巻き込まれやすくなっている背景を国民生活センターの相談データから確認します
2022年4月、成年年齢が20歳から18歳へ引き下げられました。これにより18歳になればクレジットカードの発行やローン契約が親の同意なしで可能になり、選択の自由度は広がりました。その一方で、社会経験の浅い若者が深刻な金銭トラブルに巻き込まれるケースが目立つようになっています。国民生活センターのデータによれば、2024年度に寄せられた18歳・19歳の消費生活相談は8,962件で、決して少ない数字ではありません。相談内容として特に多いのは、脱毛エステや美容医療といった「美容系」のトラブルと、副業・内職がらみの「お金系」のトラブルです。「きれいになりたい」「手軽に稼ぎたい」という若者特有の心理が巧みに利用されている実態がうかがえます。
副業・情報商材の高額サポート契約、美容医療での即決勧誘、初回無料をうたう定期購入——18歳・19歳の相談で目立つ3つのトラブルパターンを具体的な流れに沿って整理します
「スマホひとつで月○万円」から数十万円の分割契約へ誘導される副業・情報商材トラブルと、長時間の勧誘で断りにくくなる美容医療・エステの即決契約に注意が必要です
まず典型的なのが副業・情報商材の登録トラブルです。「スマホひとつで月○万円」「1日10分で高収入」といったSNSや動画広告のフレーズから個人情報を登録すると、数十万円規模のサポートプランへ誘導される流れが報告されています。「分割なら負担は軽い」と言われるまま契約し、稼げないまま高額な借金だけが残る深刻な被害も生じています。次に美容医療・エステの契約トラブル。「初回お試し価格」に惹かれて来店したところ、「本日中に契約すれば大幅割引になる」と即決を迫られるケースが代表例です。長時間にわたる勧誘を受けると断りにくくなり、「月々の支払いは少額だから」という言葉に押されて総額数十万円の定期コースに署名してしまう事態は、決して他人事ではありません。
「初回無料」「ワンコインでお試し」の広告が実は複数回の継続購入前提だった定期購入トラブルと、若い世代が狙われる法的保護の変化・契約経験の少なさという要因を押さえましょう
3つ目は定期購入トラブルです。「初回無料」「ワンコインでお試し」という広告を見てサプリや化粧品を注文したら、実は複数回の継続購入が前提の定期契約だったというケース。2回目の商品が届いて初めて気づき、「規定回数を満たすまで解約はできません」と突っぱねられる事例が後を絶ちません。若い世代が狙われる背景には、主に3つの要因があります。第一に法的保護の変化で、かつて18歳・19歳に適用されていた「未成年者取消権」が成年年齢の引き下げによって使えなくなりました。第二に契約経験の少なさ。書面の細かい条件や解約ルール、分割払いのリスクを見抜くのは容易ではなく、「よく分からないけど大丈夫だろう」という曖昧な判断が取り返しのつかない事態を招きかねません。第三にSNSを通じた巧みな勧誘で、繰り返し接触するうちに警戒心が薄れていく構造があります。
その場で即決しない、必ず持ち帰って相談する、迷ったら消費者ホットライン188へ——被害を広げないために今日から実践できる判断基準と契約前の5つのチェック観点をまとめます
対策の基本は、「簡単に稼げる」「今日だけ特別価格」は危険信号だと覚えておくことです。どれほど魅力的に見えても、その場で即決するのは避け、必ず一度持ち帰って家族や信頼できる人に話してから判断する習慣をつけてください。契約前に確認したい観点としては、①支払総額(月額ではなく総額)、②契約期間と最低継続回数、③中途解約の条件と解約金の有無、④事業者の所在地や連絡先が明記されているか、⑤クーリング・オフや書面交付の扱いがどうなっているか、といった点を並べて比べると判断しやすくなります。契約形態によって適用される制度は異なる場合があるため、詳細は消費者庁や国民生活センターの公式情報で確認するのが確実です。契約後に不安を感じたり、すでにトラブルに巻き込まれた場合は、消費者ホットライン(局番なしの188)に相談してください。一人で抱え込まず早めに専門機関へつなぐことが、被害の拡大を防ぐうえで有効とされています。成人としての自由には相応の責任とリスクが伴います。「自分だけは大丈夫」と過信せず、お金に関するリテラシーを今のうちから磨いておくことが、将来の自分を守る力になるはずです。

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