共働き夫婦の医療費控除──どちらが申告すればお得?知っておきたい判断基準 ♯154

年間の医療費がかさんだとき、確定申告で税金を取り戻せるのが「医療費控除」です。

共働き世帯の場合、夫婦のどちらが申告するかで還付額に差が出ることをご存じでしょうか。

損をしないための考え方を整理してみます。

医療費控除の基本をおさらい

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に所得から

差し引ける制度です。対象は本人の分だけではなく、生計を同じくする配偶者や

親族のために支払った医療費も含まれます。

控除額の計算式は次のとおりです。

  • 所得200万円以上の場合:支払った医療費の合計 − 保険金等で補填された額 − 10万円
  • 所得200万円未満の場合:支払った医療費の合計 − 保険金等で補填された額 − 総所得金額×5%

上限は200万円で、年末調整では処理できないため確定申告が必須となります。

原則は「所得が高い方」が申告すると有利

医療費控除は所得控除の一つなので、控除額が同じでも課税所得に対する税率が

高い人ほど還付される金額が大きくなります。たとえば控除額が30万円の場合、

税率20%の人なら約6万円、税率10%の人なら約3万円の還付と、倍近い差がつくことも。

このため、共働き夫婦であれば収入の多い側がまとめて医療費を負担し、

確定申告するのがセオリーです。

例外パターンも押さえておこう

ただし、すべてのケースで「高収入側が申告すれば正解」とは限りません。

ケース①:控除額が200万円の上限を超える場合
夫婦の医療費を合算すると控除の上限200万円を超えてしまうようなら、

それぞれが自分の支払い分を別々に申告したほうがトータルの節税効果は高まります。

ケース②:一方の所得が200万円未満の場合
所得が200万円に届かない人は、医療費が10万円以下であっても所得の5%を

超えていれば控除を受けられます。つまり、低い方のハードルで控除が適用されるため、

あえて所得の低い配偶者が申告したほうが得になるケースも存在します。

夫婦の収入バランスや年間の医療費総額によって最適解は変わるため、

申告前に両方のパターンで試算してみるのがおすすめです。

ふるさと納税との兼ね合いにも注意

見落としがちなのが、医療費控除とふるさと納税(寄附金控除)の関係です。

医療費控除によって課税所得が下がると、ふるさと納税の控除上限額も

連動して下がります。年末ギリギリに駆け込みで寄附した分が控除枠をはみ出してしまう、

というケースは意外と起こりがちです。

両方の控除を活用する予定がある場合は、先に医療費控除の見込み額を

把握した上で寄附額を調整するとよいでしょう。

まとめ

共働き世帯の医療費控除は「誰が・いくら負担するか」で手元に戻るお金が変わります。

家族全体の税負担を最小化するために、年末が近づいたら一度シミュレーション

してみてはいかがでしょうか。

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